和精油
クロモジ精油
学名 Lindera umbellata
科名 クスノキ科
抽出部位 枝葉
抽出方法 水蒸気蒸留法
クロモジ(黒文字、Lindera umbellata)は、クスノキ科の落葉低木。枝を高級楊枝の材料とし、楊枝自体も黒文字と呼ばれる。
本州、四国、九州などの低山や疎林の斜面に分布する。
茎は高さ5メートル程度まで成長する。若枝ははじめ毛があるが次第になくなり、緑色のすべすべした肌に、次第に黒い斑紋がでることが多い。古くなると次第にざらついた灰色の樹皮に覆われる。
葉は洋紙質で楕円形、深緑でつやはない。葉裏はやや白っぽい。
雌雄異株。花は黄緑色で、春に葉が出るのと同じ頃、葉脇から出た散形花序に咲き、雄花には9本の雄蕊、雌花には子房がある。
果実は液果で10月頃に黒熟する。葉や枝には芳香がある。
黒文字の名は若枝の表面にでる斑紋を文字に見立てたものといわれる。古くからこれを削って楊枝を作る。特に根本に皮を残すのが上品とされる。現在でも、和菓子など特に選ばれたところではクロモジの楊枝が使われる。
千葉県の久留里地域ではクロモジの楊枝作りが明治期から副業として行われており、上総楊枝として特産品化されている。
枝葉を蒸留することでとれる黒文字油は、テルピネオールやリモネンなどを含有する。現在はあまり使われないが、香料としてかつては化粧品、石鹸などに盛んに使われ、輸出もされた。
枝(烏樟)や根(釣樟)を薬用にもする(養命酒など)。
クロモジの葉の煎じ汁が腹によいという風習が、長野県阿智村や喬木村にある。
成分内容
リナロール、1,8-シネオール、リモネン、α-ピネン、ゲラニオール、カンフェン、テルピネン-4-オール、α-テルピネン、γ-テルピネン、ミルセン、β-ピネン
期待できる効果
鎮静、抗不安 抗炎症、抗菌、抗真菌、鎮痛、免疫調整、蠕動運動促進、収斂作用、皮膚弾力回復、副交感神経強壮
クロモジは、フローラルなやすらぐ香りです。これは、ゲラニオールの成分の香りが入っていくからなかなと思います。ゲラニオールが含まれている精油は、パルマローザ、ローズ、ネロリ、ゼラニウム、レモングラスなどがあります。